法定翻訳サービス契約書のすぐに使える雛形
法定翻訳サービス契約書の雛形は、翻訳者または翻訳会社と依頼者との間で、証明書、戸籍書類、契約書その他の公的提出を予定する文書の翻訳業務について合意するための書式です。対象文書、翻訳言語、納期、報酬、認証手続、秘密保持、修正対応および責任分担を明記し、認識の相違や紛争を予防するために役立ちます。
法定翻訳サービス契約書は、公的機関、裁判所、学校、在外公館などへの提出を予定する文書の翻訳を依頼する際に、当事者間の条件を明確にするための契約書です。通常の翻訳業務と比べ、翻訳者の資格、認証方法、原本との照合や提出先の要件が重要になることがあります。業務範囲、納期、料金、秘密保持および修正手続を事前に定めることで、後日の行き違いを抑えられます。提出先の制度や国・地域により「法定翻訳」の意味や有効な認証方式は異なるため、個別の確認が必要です。
法定翻訳サービス契約書とは
この契約書は、依頼者が翻訳者または翻訳会社に対して、指定文書の翻訳、翻訳証明書の発行、必要に応じた署名・押印その他の付随業務を委託するための合意書です。対象文書の種類、原文と訳文の言語、提出先、部数を具体的に記載します。
日本では、提出先が求める形式によっては、翻訳者の所属、資格、翻訳証明書、原本写しの添付などが求められる場合があります。契約締結前に、依頼者が提出先の受理条件を確認し、その情報を受託者へ共有することが大切です。
「法定翻訳」の扱いに注意する
法定翻訳、公認翻訳、認証翻訳といった呼称は、国や機関によって制度上の意味が異なります。契約書では、受託者が保証する内容を「提出先が当然に受理すること」ではなく、合意した要件に沿って翻訳・証明を行うこととして明確化するのが実務的です。
契約書に必ず入れたい項目
当事者の正式名称と連絡先のほか、原稿の受領方法、文字数またはページ数、納品形式、納品期限、報酬および消費税の取扱いを記載します。緊急対応、レイアウト再現、原本照合、郵送、追加証明などは追加料金となることがあるため、条件を分けて定めます。
| 項目 | 記載する内容 | 目的 | よくある誤り |
|---|---|---|---|
| 対象文書 | 文書名、頁数、版、作成日 | 翻訳範囲を特定する | 添付資料や裏面を記載しない |
| 言語・用途 | 原文言語、訳文言語、提出先 | 用語・書式要件を共有する | 提出先の指定を確認しない |
| 納期・納品 | 期限、時刻、PDF・紙媒体等 | 履行基準を明確にする | 修正期間を納期に含めない |
| 報酬 | 単価、総額、税、支払期限 | 請求条件を確定する | 追加作業の単価を決めない |
| 認証・証明 | 翻訳証明書、署名、部数 | 提出要件への対応を示す | 受理保証と混同する |
依頼前に確認すべき事項
依頼者は、翻訳対象となる原稿が完全で判読可能なものであることを確認し、提出先、用途、希望する認証形式を事前に伝える必要があります。原稿差替えや追加頁が発生した場合の納期・料金への影響も、あらかじめ契約に盛り込みましょう。
- 提出先機関が指定する翻訳者・認証の要件
- 翻訳対象文書の最終版、全頁および添付資料の有無
- 原文言語、訳文言語、表記方法および固有名詞の指定
- 必要な翻訳証明書、署名、押印、写しまたは郵送の部数
- 希望納期、納品形式および支払方法
個人情報と機密情報の取扱い
戸籍、身分証明書、診断書、契約書には、個人情報や営業秘密が含まれることがあります。受託者の守秘義務、目的外利用の禁止、再委託の条件、データ保管期間および削除方法を定めると安心です。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
法定翻訳サービス契約書
本契約は、以下の当事者間において、法定翻訳その他これに付随する翻訳サービスに関し、次のとおり締結する。
締結場所:____________________
締結日:________年____月____日
委託者(甲)
氏名又は名称:____________________
住所:____________________
代表者名:____________________
連絡先:____________________
受託者(乙)
氏名又は名称:____________________
住所:____________________
代表者名:____________________
連絡先:____________________
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 翻訳対象文書 | ____________________ |
| 原文言語・訳文言語 | ____________________ |
| 提出先・使用目的 | ____________________ |
| 翻訳証明書等の要否 | ____________________ |
| 納品形式・部数 | ____________________ |
| 納品期限 | ________年____月____日 ____時____分 |
| 報酬額(税込/税別) | 金____________________円 |
| 支払期限・支払方法 | ____________________ |
- 業務内容
乙は、甲から提供を受けた対象文書について、前表記載の条件に従い翻訳業務および合意された付随業務を行う。 - 甲の協力義務
甲は、完全かつ判読可能な原稿、提出先の要件、用語・表記上の指定その他乙の業務に必要な情報を、遅滞なく乙に提供する。 - 納品および修正
乙は、合意した納期および形式により成果物を納品する。乙の責めに帰すべき誤記その他の不備については、甲が納品後____日以内に通知した場合、乙は合理的な範囲で修正する。原稿の変更または追加は別途協議する。 - 報酬および費用
甲は、乙に対し前表の報酬を支払う。原稿追加、緊急対応、認証書類の追加、郵送その他当初の合意範囲を超える作業に係る費用は、別途協議の上で定める。 - 秘密保持
乙は、本業務に関連して知り得た甲の個人情報、営業秘密その他の非公開情報を、本業務の遂行以外の目的に使用せず、正当な理由なく第三者に開示または漏えいしない。 - 受理に関する取扱い
提出先機関による成果物の受理は当該機関の判断によるものとし、乙は、甲から提供された提出要件および本契約で合意した内容に従って業務を行う。甲は、提出先の要件を事前に確認するものとする。 - 契約解除
一方当事者が本契約に重大に違反し、相当期間を定めた是正の催告後も違反を是正しない場合、相手方は本契約を解除できる。この場合、既に完了した業務および発生済みの実費については、甲は乙に精算する。 - 協議事項
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議し解決する。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙各自記名押印又は署名の上、各1通を保有する。
甲(委託者)署名:____________________
住所:____________________
乙(受託者)署名:____________________
住所:____________________
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
料金、納期および変更対応
料金は、原文の文字数、単語数、ページ数、専門性、希望納期、認証の有無を基準として設定されることがあります。見積書の対象範囲と、原稿の追加・変更、判読不能箇所、緊急納品、郵送などに伴う追加費用を区別してください。
納期は、受託者が完全な原稿と必要情報を受領した時点から起算する方式が明確です。依頼者の確認遅延や原稿差替えにより生じた遅れについても、取扱いを合意しておくと実務上有用です。
- 依頼者が原稿、提出先および希望条件を提示します。
- 受託者が範囲、見積額、納期および認証方法を確認します。
- 当事者が契約条件に合意し、必要に応じて着手金を支払います。
- 受託者が訳文と合意済みの証明書類を納品します。
提出先の受理要件は依頼者自身で事前に確認し、その回答や案内を受託者に共有してから契約内容を確定することをおすすめします。
責任、修正および契約終了
訳文の誤記や合意内容との不一致が見つかった場合の修正期限と方法を定めます。一方、原稿の不備、依頼者が指定した表記、提出先の独自判断など、受託者の責任によらない事情については責任範囲を限定する規定を設けることがあります。
契約解除、途中解約および不可抗力への対応も重要です。すでに作業した部分の精算、納品済み成果物の利用可否、受領済み資料の返却または削除について、双方が理解できる表現で取り決めましょう。
よくある質問
翻訳証明書は必ず必要ですか?
必ずしも必要ではありません。提出先の規則によって異なるため、依頼前に必要な記載事項、署名、押印、原本写しの添付の有無を確認してください。
翻訳者は提出先で受理されることを保証できますか?
通常、受理の最終判断は提出先機関が行います。契約では、受託者が合意した仕様に従って翻訳・証明を行うことと、依頼者が提出要件を確認する責任を分けて定めることが望まれます。
納品後に原文を変更した場合、修正は含まれますか?
原文の変更や追加は新たな作業として扱われるのが一般的です。無償修正の対象となる範囲、追加料金および納期の再設定について、契約書または見積書に明記しましょう。