コーチング契約書の作成に使える記入式モデル
このコーチング契約書モデルは、コーチとクライアントの間で提供するセッションの内容、目的、実施方法、契約期間、報酬、秘密保持、キャンセル、解約および責任範囲を明確にするためのひな形です。個人向け・法人向けのいずれにも応用でき、具体的な条件を記入して利用できます。
コーチング契約書は、コーチが提供する支援の範囲と、クライアントが負う料金支払いや協力義務を明確にする文書です。口頭での合意だけでは、セッション回数、キャンセル料、成果の扱いなどで認識の違いが生じるおそれがあります。契約書を作成することで、双方が安心してコーチングに取り組むための共通ルールを定められます。個人間の契約だけでなく、企業が役員や従業員向けに導入する場合にも役立ちます。
コーチング契約書とは
コーチング契約書とは、コーチがクライアントに対して行う対話、目標設定、行動支援その他のサービスについて、条件を定める契約書です。通常、コーチは助言や伴走を行いますが、特定の成果や売上、採用、昇進などを保証するものではありません。
契約の性質は実際の業務内容によって異なりますが、継続的な役務提供に関する準委任的な要素を持つことがあります。契約名だけで判断せず、当事者の合意内容を具体的に記載することが重要です。
契約書に記載したい主要項目
サービスの目的と範囲を曖昧にしないことが、トラブル予防の基本です。オンライン・対面の別、1回当たりの時間、回数、連絡方法、使用するツールなどを明記しましょう。
| 記載項目 | 内容・目的 | よくある記載漏れ |
|---|---|---|
| サービス内容 | 目標設定、面談、振り返り等の対象業務を示す | 成果保証の有無を明記しない |
| 実施期間・回数 | 開始日、終了日、セッション時間と回数を定める | 延長時の条件がない |
| 報酬・支払方法 | 料金、消費税、支払期日、振込先を定める | 返金・分割払いの扱いが不明確 |
| 変更・キャンセル | 連絡期限、振替可否、キャンセル料を定める | 無断欠席時の取扱いがない |
| 秘密保持 | 面談で知った個人情報・事業情報を保護する | 例外や法令上の開示義務に触れていない |
サービス内容の特定
「コーチングを提供する」とだけ書くのではなく、対象テーマ、実施形式、利用可能な連絡手段、セッション外の対応範囲を定めます。医療、心理療法、法律、税務などの専門資格を要する行為を含まない場合は、その点も明確にすると安全です。
成果保証をしない旨
コーチングの成果はクライアント自身の行動、環境その他の事情に左右されます。そのため、コーチが特定の結果を保証しないこと、およびクライアントが自己の判断と責任で行動することを条項に盛り込むことが一般的です。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
コーチング契約書
本契約書は、以下の当事者間において、コーチングサービスの提供に関する条件を定めるものとする。
契約締結日:________年____月____日
契約締結場所:____________________
コーチ(甲)
氏名・名称:____________________
住所・所在地:____________________
連絡先:____________________
クライアント(乙)
氏名・名称:____________________
住所・所在地:____________________
連絡先:____________________
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コーチングの目的・テーマ | ____________________ |
| 実施方法 | 対面・オンライン・その他(____________________) |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| セッション回数・時間 | 全____回、1回____分 |
| 報酬額 | 金____________________円(税込・税別) |
| 支払期日・方法 | ________年____月____日までに____________________ |
| キャンセル連絡期限 | セッション開始の____時間前まで |
- サービス内容
甲は、乙に対し、前表記載の目的・テーマに関するコーチングサービスを提供する。具体的な実施日時および方法は、甲乙協議の上で定める。 - 甲の義務
甲は、善良な管理者の注意をもって本サービスを提供する。ただし、甲は乙に対し、特定の成果、収益、健康状態、雇用その他の結果を保証するものではない。 - 乙の義務
乙は、本サービスの目的達成に必要な範囲で、自らの判断と責任において行動し、甲に対して必要な情報を提供する。乙は、予約日時を守り、変更または取消しを行う場合は前表の期限までに甲へ連絡する。 - 報酬および費用
乙は甲に対し、前表記載の報酬を、同表記載の方法により支払う。振込手数料その他の費用負担は、____________________とする。 - キャンセルおよび日程変更
乙が前表の連絡期限後にキャンセルした場合の取扱いは、____________________とする。甲乙双方の都合による日程変更の取扱いは、誠実に協議して定める。 - 秘密保持
甲および乙は、本契約または本サービスに関連して知り得た相手方の個人情報、営業上、技術上その他の非公知情報を、相手方の事前の書面または電磁的方法による承諾なく第三者に開示または漏えいしてはならない。ただし、法令に基づく開示が必要な場合はこの限りでない。 - 個人情報の取扱い
甲は、本サービスの提供、連絡および運営に必要な範囲で乙の個人情報を取り扱うものとし、法令および合理的な安全管理措置に従う。 - 契約の終了
甲または乙は、相手方に重大な契約違反があり、相当期間を定めて是正を求めても改善されない場合、本契約を解除できる。中途終了時の未実施分の報酬その他の精算は、____________________とする。 - 責任範囲
甲は、故意または重過失がある場合を除き、本サービスに関連して乙に生じた間接損害、特別損害または逸失利益について責任を負わない。甲の責任が認められる場合の範囲は、法令に反しない限り、乙が甲に現実に支払った本契約上の報酬額を上限とする。 - 協議および合意管轄
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は誠実に協議して解決する。協議で解決しない紛争については、____________________地方裁判所または簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙が署名または記名押印の上、各1通を保有する。電子契約の場合は、電磁的記録をもって本書に代えることができる。
甲(コーチ)署名:____________________
署名日:________年____月____日
乙(クライアント)署名:____________________
署名日:________年____月____日
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
料金、支払条件とキャンセルの定め方
料金は総額だけでなく、消費税の取扱い、支払期限、振込手数料の負担、分割払いの有無を記載します。継続プログラムでは、未利用セッションの返金条件や中途解約時の精算方法も確認しましょう。
キャンセル規定では、変更連絡の期限、遅刻時の取扱い、無断欠席、災害や通信障害などのやむを得ない事情への対応を定めます。一方的に過重な負担を課す条件は、契約当事者の属性や取引状況によって問題となる可能性があるため注意が必要です。
- 料金が税込みか税抜きかを明示する。
- 支払期日と支払手段を具体的に記載する。
- 予約変更の連絡期限を定める。
- キャンセル料の発生条件と金額を示す。
- 返金がある場合とない場合の基準を明確にする。
契約締結前に、サービスの説明資料と契約書の内容に矛盾がないかを双方で確認し、重要な条件は口頭だけで済ませないことが実務上有効です。
秘密保持と個人情報の取扱い
コーチングでは、仕事上の課題、家族関係、健康状態、経営情報など、私的または機微な内容が共有されることがあります。秘密保持条項では、秘密情報の範囲、利用目的、第三者提供の制限、契約終了後の取扱いを定めます。
個人情報を取得・管理する場合は、利用目的を必要な範囲で特定し、安全管理に努める必要があります。法人のクライアントが関係する場合には、従業員情報や営業秘密の取扱いについても別途確認してください。
締結から運用までの手順
契約書は署名・記名押印等の前に、当事者双方が内容を読み、空欄や添付資料を確認して完成させます。電子契約を利用する場合も、誰がいつ合意したかを確認できる方法を選び、最終版を保存しましょう。
- コーチングの目的、対象者、実施形式を確認する。
- 料金、期間、回数、キャンセル条件を合意する。
- 秘密保持、責任範囲、解約条件を文書化する。
- 双方が内容を確認し、署名または電子的な合意を行う。
よくある質問
コーチング契約書に印鑑は必ず必要ですか?
契約は一般に当事者の合意によって成立し、常に印鑑が必要となるわけではありません。ただし、本人確認や合意の証拠を残す観点から、署名、記名押印または適切な電子署名等の方法を検討してください。
途中で契約を終了できますか?
終了の可否や精算方法は、契約条項および実際の契約関係によります。中途解約を予定する場合は、通知期限、未実施分の料金、既に提供されたサービスの精算方法をあらかじめ定めておくとよいでしょう。
コーチングで得た情報を事例として紹介できますか?
原則として、クライアントを特定し得る情報や面談内容を本人の同意なく公表することは避けるべきです。事例紹介を行う可能性がある場合は、利用範囲、匿名化の方法、事前承諾の手続を明確にしてください。