農業サービス提供契約書のすぐに使えるひな形
農業サービス提供契約書は、耕うん、播種、施肥、防除、収穫、農機具作業などを外部の事業者または個人へ委託する際に用いる文書です。本ひな形では、業務範囲、作業場所、報酬、支払方法、実施期間、資材負担、事故時の対応および秘密保持など、当事者間で事前に確認すべき事項を整理しています。
農業サービス提供契約書は、農作業を第三者へ依頼する際の業務内容と責任を明確にするための契約書です。耕うん、播種、施肥、防除、収穫、農産物の運搬など、委託する作業の範囲を具体的に定めることが重要です。口頭での合意だけでは、作業時期、料金、資材費や事故対応をめぐる認識の違いが生じるおそれがあります。このひな形を基に、実際の営農条件に合わせて必要事項を記入してください。
農業サービス提供契約書を作成する目的
本契約は、委託者が受託者に農業関連の作業を依頼し、受託者が定められた条件でこれを実施する場合に利用します。作業の開始日と完了予定日、対象となる圃場、作業方法および報酬を明文化することで、取引の透明性を高めます。
特に天候や生育状況により日程が変動しやすい農業では、延期・中止の条件や連絡方法をあらかじめ取り決めておくことが実務上有効です。
契約書に記載すべき主な項目
契約書には、当事者の氏名または法人名、住所、連絡先のほか、対象地を特定できる情報を記載します。農地の所在地、地番、面積、作物の種類、対象区画などを明確にすると、作業範囲に関する争いを防ぎやすくなります。
| 記載項目 | 記載する内容 | よくある不備 |
|---|---|---|
| 業務内容 | 耕うん、播種、収穫などの作業内容と方法 | 作業名だけで完了基準がない |
| 作業場所 | 所在地、地番、面積、対象圃場 | 対象区画が特定できない |
| 報酬 | 単価、総額、消費税、追加費用の扱い | 資材費や交通費を明記していない |
| 実施期間 | 開始日、完了期限、天候不良時の扱い | 延期時の連絡・判断基準がない |
| 責任分担 | 機械損害、事故、第三者損害への対応 | 保険加入や費用負担が不明確 |
業務範囲の具体化
「収穫作業一式」のような抽象的な表現ではなく、使用する機械、作業回数、搬出の有無、残さ処理の範囲などを記載しましょう。受託者が準備する資材と、委託者が支給する資材も区別します。
報酬と追加費用
報酬は面積単価、時間単価、作業単位または一式金額など、実態に合う算定方法を選びます。天候不良による再作業、圃場条件による作業困難、燃料費の変動などに起因する追加費用の扱いも合意しておくと安心です。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
農業サービス提供契約書
委託者と受託者は、農業サービスの提供に関し、以下のとおり契約を締結する。
契約締結日:______年____月____日
契約締結場所:____________________
【委託者】
氏名・名称:____________________
住所:____________________
代表者名:____________________
連絡先:____________________
【受託者】
氏名・名称:____________________
住所:____________________
代表者名:____________________
連絡先:____________________
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 委託業務 | ____________________ |
| 対象作物 | ____________________ |
| 作業場所・対象圃場 | 所在地:____________________ 地番:____________________ 面積:____________________ |
| 作業期間 | ______年____月____日から______年____月____日まで |
| 報酬額 | 金____________________円(消費税:____________________) |
| 支払方法・支払期日 | ____________________ |
| 資材・機械の負担 | ____________________ |
| 特記事項 | ____________________ |
- 委託者は、受託者に対し、前表記載の農業サービス(以下「本業務」という。)を委託し、受託者はこれを受託する。
- 受託者は、善良な管理者の注意をもって本業務を実施し、作業上必要な安全対策および関係法令を遵守する。
- 委託者は、本業務の実施に必要な圃場情報、作業指示および自己が負担する資材等を、受託者と協議の上、適時に提供する。
- 委託者は、本業務の完了確認後、受託者に対し、表記載の報酬を同表記載の方法および期日までに支払う。
- 天候不良、災害、圃場条件、機械故障その他当事者の責めに帰することができない事由により作業が遅延または実施困難となった場合、当事者は作業日程、費用その他の取扱いを誠実に協議する。
- 本業務に関して事故、損害または第三者からの請求が発生した場合、当事者は速やかに相手方へ通知し、その原因および責任の所在に応じて誠実に対応する。
- 本契約の変更または追加は、当事者双方の書面または電磁的方法による合意により行う。
- 本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、当事者は誠実に協議して解決する。
本契約締結の証として、本書2通を作成し、委託者および受託者が各1通を保有する。
委託者署名:____________________ 印
受託者署名:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
締結前に確認する事項
作業を開始する前に、圃場への進入経路、周辺の障害物、用水・電源の使用可否、農薬や肥料の保管・取扱条件を確認します。農地の状況によっては、作業機械の種類や安全対策に影響するため、現地確認を行うことが望まれます。
- 委託する作業の内容、回数および完了基準
- 圃場の所在地、境界、面積および進入経路
- 作業に使う農機具、燃料、資材の負担者
- 報酬額、消費税、支払日および振込手数料の負担
- 天候不良、災害、機械故障時の延期・中止条件
作業開始前に、対象圃場の写真、地図、作業指示書を双方で共有し、契約書の別紙として保存しておくと、後日の確認に役立ちます。
契約締結から作業完了までの流れ
契約は、条件を協議した後、書面または適切な電子的手段で合意内容を保存して進めます。途中で作業内容や報酬に変更が生じた場合は、口頭だけで済ませず、変更内容を記録してください。
- 委託する作業、圃場および希望時期を確認する。
- 見積り、資材負担、報酬および支払条件を合意する。
- 契約書に必要事項を記入し、双方が署名または記名押印する。
- 作業完了後に内容を確認し、報酬を精算して記録を保管する。
責任、保険および契約変更
農業機械を用いる作業では、物損事故、人身事故、農作物への損害などのリスクがあります。事故発生時の連絡先、責任分担、加入保険の有無および補償範囲について、契約前に確認しましょう。
当初の予定から作業内容、面積、期間または報酬を変更する場合は、双方の合意を得て書面化します。自然災害や著しい天候不順により履行が困難になったときの取扱いも、契約条項で定めることができます。
よくある質問
個人農家と個人作業者の間でも契約書は必要ですか?
必要です。取引規模にかかわらず、業務内容、報酬、作業時期および事故時の対応を記録することで、双方の認識違いを減らせます。
天候不良で作業日を変更する場合、契約を作り直す必要がありますか?
契約書に日程変更の条件がある場合は、その定めに従います。大きな変更や追加費用が発生する場合は、変更合意書やメール等で内容を残すことが望ましいです。
農薬散布を依頼するときに注意する点は何ですか?
使用する農薬、散布対象、希釈・使用基準、安全対策、周辺への配慮および関係法令を確認してください。資格や届出が必要となる場合もあるため、地域の行政機関等に確認することが重要です。