保守サービス提供契約書のすぐに使える雛形・記入例
この保守サービス提供契約書の雛形は、設備、機器、システムその他の対象物について、点検、修理、監視、保守対応を委託・受託する際の基本事項を整理するための文書です。業務内容、対応時間、報酬、契約期間、再委託、秘密保持、損害賠償などを記載でき、当事者間の認識違いを減らすのに役立ちます。
保守サービス提供契約書は、設備、機械、情報システムなどの保守業務を依頼する側と提供する側の権利義務を明確にする文書です。定期点検だけでなく、故障時の対応、部品交換、遠隔支援など、実際に提供されるサービスの範囲を具体的に定めることが重要です。料金や対応時間、契約期間を曖昧にすると、追加費用や対応責任をめぐるトラブルにつながるおそれがあります。双方の運用に合わせて必要事項を記入し、締結前に内容を確認しましょう。
保守サービス提供契約書の役割
この契約書は、委託者が保守業務を依頼し、受託者がその業務を実施するための基本条件を定めます。対象物の状態維持、障害の予防、故障時の復旧支援といった目的を共有することで、サービス品質に関する期待値をそろえられます。
特に継続的な保守では、単発の作業依頼とは異なり、月額料金、定期訪問の回数、緊急連絡の受付時間などをあらかじめ取り決める必要があります。
対象物を特定する方法
対象となる設備やシステムは、名称、型番、設置場所、数量、識別番号などで特定します。別紙の機器一覧や仕様書を契約書に添付すると、対象範囲をより明確にできます。
必ず確認したい記載項目
保守の内容と費用負担を明確にするため、契約書には次のような項目を盛り込みます。消耗品、部品代、出張費、時間外対応費用の扱いは、実務上とくに争いになりやすい点です。
| 記載項目 | 定める内容 | よくある不備 |
|---|---|---|
| 保守対象 | 設備名、型番、設置場所、数量 | 対象機器が特定されていない |
| 業務範囲 | 点検、修理、監視、報告の内容 | 対応作業の境界が曖昧 |
| 料金 | 月額・年額、支払期限、追加費用 | 部品代や出張費の扱いがない |
| 対応時間 | 受付時間、訪問目安、休日対応 | 緊急時の連絡方法が未定 |
| 契約期間 | 開始日、終了日、更新方法 | 中途解約の条件がない |
料金の設計
定額料金に含まれる作業と別途請求となる作業を区別します。作業単価、部品代の算定方法、見積り・承認の手順を定めると、請求時の認識違いを抑えられます。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
保守サービス提供契約書
委託者 ____________________(以下「甲」という。)と、受託者 ____________________(以下「乙」という。)は、保守サービスの提供に関し、以下のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。
契約締結日:________年____月____日
契約締結場所:____________________
甲(委託者)
住所:____________________
氏名又は名称:____________________
代表者:____________________
乙(受託者)
住所:____________________
氏名又は名称:____________________
代表者:____________________
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保守対象 | ____________________ |
| 設置場所 | ____________________ |
| 保守業務の内容 | ____________________ |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 保守料金 | 金____________________円(消費税の取扱い:____________________) |
| 支払方法・支払期日 | ____________________ |
| 対応受付時間 | ____________________ |
| 緊急連絡先 | ____________________ |
- 乙は、前表記載の保守対象について、同表および別紙仕様書に定める保守業務を誠実に実施する。
- 甲は、乙による保守業務の実施に必要な情報、施設への立入りおよび合理的な協力を提供する。
- 保守料金に含まれない部品代、消耗品費、出張費、時間外対応費その他の費用は、甲乙協議の上、甲が負担する。
- 乙は、保守業務の遂行上知り得た甲の秘密情報を、甲の事前承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。
- 乙は、保守業務の全部又は一部を第三者に再委託する場合、あらかじめ甲の承諾を得るものとする。
- 甲又は乙が本契約に違反し、相当期間を定めた是正の催告後も改善されないとき、相手方は本契約を解除できる。
- 甲又は乙は、相手方に対し________日前までに書面で通知することにより、本契約を中途解約できる。
- 本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項は、甲乙誠意をもって協議し解決する。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙各自記名押印又は署名の上、各1通を保有する。
甲(委託者) 住所:____________________
氏名又は名称:____________________ 印
乙(受託者) 住所:____________________
氏名又は名称:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
業務範囲と対応基準の定め方
「保守を行う」とだけ書くのではなく、定期点検の頻度、点検項目、障害受付の窓口、初動対応の目安、報告書の提出時期を具体化します。受託者が対応できない事象や、メーカー保証の対象となる修理についても整理しておくと実務的です。
- 定期点検の実施回数と実施時期
- 電話、メール、遠隔操作、訪問による対応範囲
- 障害連絡の受付時間と連絡先
- 部品交換および消耗品補充の費用負担
- 作業報告書の提出方法と確認手続
保守対象とサービス水準は、口頭の説明だけに頼らず、別紙の作業仕様書や機器一覧として契約書に添付することをおすすめします。
契約締結までの手順
契約書を作成する前に、現状の設備構成や必要な対応体制を確認しましょう。提供可能なサービスと委託者が求める水準に差がないかを、見積書や仕様書を用いて確認することが大切です。
- 保守対象と現状を調査・一覧化する。
- 業務内容、対応時間、料金条件を協議する。
- 契約書および必要な別紙を作成する。
- 当事者が内容を確認し、署名または記名押印して保管する。
責任、秘密保持および契約終了
保守作業中の損害、データの取扱い、第三者への再委託などについて、責任の範囲を定めます。情報システムの保守では、アクセス権限、個人情報、営業秘密の管理方法も具体的に確認してください。
また、契約違反時の解除、一定期間前の通知による中途解約、契約終了後の資料・データ返還などを規定します。継続契約では自動更新の有無と更新拒絶の通知期限も重要です。
よくある質問
保守契約には部品代も含めるべきですか?
契約内容によります。定額料金に含める場合と、部品代を別途請求する場合があります。対象部品、上限額、事前承認の要否を明記すると分かりやすくなります。
緊急対応の到着時間は保証できますか?
交通事情や作業状況の影響を受けるため、絶対的な到着時刻ではなく、受付後の初動連絡や訪問の目安として定めることが一般的です。保証する場合は条件と例外を明確にしましょう。
電子契約で締結しても問題ありませんか?
一般に、当事者の合意内容を適切に記録し、本人性や改ざん防止に配慮した方法であれば電子的な締結も利用できます。ただし、取引内容や社内規程に応じて運用を確認してください。