技術支援サービス契約書のすぐに使える雛形・作成モデル
技術支援サービス契約書は、システム保守、機器の点検、ソフトウェア支援、障害対応などを外部事業者へ委託する際に用いる書面です。本雛形では、支援対象、業務範囲、連絡方法、対応時間、報酬、秘密保持、再委託、契約解除および損害賠償に関する基本事項を整理できます。依頼内容と責任分担を具体的に記載し、当事者間の認識違いを防ぐために活用してください。
技術支援サービス契約書は、情報システム、機器、ソフトウェアその他の技術的な対象について、支援業務を委託する際の条件を定める契約書です。業務の範囲、対応水準、費用および責任の分担を明文化することで、依頼者と受託者の認識の相違を抑えられます。特に障害対応や保守業務では、対応時間と連絡方法を具体的に決めることが重要です。本ページでは、実務で確認したい記載項目と作成上の留意点を紹介します。
技術支援サービス契約書の目的
この契約書は、受託者が提供する技術支援の内容と、依頼者が支払う報酬その他の条件を合意するための書面です。単発の調査、導入支援、継続的な保守、遠隔サポートなど、業務の性質に応じて内容を調整します。
契約の対象を曖昧にすると、追加作業の費用や障害発生時の対応範囲について争いになりやすくなります。対象となる設備、ソフトウェア、拠点、利用者の範囲を別紙で特定する方法も有効です。
記載すべき主要項目
最低限、当事者、支援対象、業務内容、契約期間、報酬、対応条件および秘密保持を記載します。継続契約では、更新方法と中途解約時の取扱いも明確にしておく必要があります。
| 項目 | 記載する内容 | よくある不備 |
|---|---|---|
| 支援対象 | 対象機器、システム、ソフトウェア、設置場所 | 対象の型番や範囲が特定されていない |
| 業務範囲 | 保守、調査、復旧支援、問い合わせ対応など | 追加作業の扱いがない |
| 対応時間 | 受付時間、初動目標、訪問の要否 | 休日・夜間対応の条件が不明確 |
| 報酬 | 月額、時間単価、交通費、支払時期 | 消費税や実費負担の記載漏れ |
| 責任範囲 | 再実施、損害賠償、免責事由 | 責任上限が定められていない |
業務範囲を具体化する方法
「必要な技術支援を行う」といった包括的な表現だけでは、作業の限界が判断しにくくなります。定期点検の回数、リモート対応の可否、現地訪問の条件、成果物の有無を箇条書き又は別紙で示しましょう。
対応条件とサービス水準
障害対応を含む契約では、連絡窓口、受付時間、初回応答の目安、復旧作業の優先順位を設定します。これらはサービス水準に関する合意として、実際に提供可能な体制に合わせて定めることが大切です。
- 問い合わせを受け付ける連絡先と担当窓口
- 通常対応、緊急対応および時間外対応の区分
- 遠隔対応と訪問対応の適用条件
- 依頼者が提供すべきアクセス権限や情報
- 障害の原因調査と復旧支援の範囲
追加作業の扱い
契約範囲を超える改修、部品交換、データ復旧、第三者製品の調査などは、別途見積りとすることが一般的です。追加作業の開始前に、費用、納期および承認方法を確認する条項を設けると円滑です。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
技術支援サービス契約書
____________________(以下「甲」という。)と、____________________(以下「乙」という。)は、乙が甲に提供する技術支援サービスについて、以下のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。
締結場所:____________________
締結日:________年____月____日
当事者
甲(委託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________
乙(受託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________
個別条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援対象 | ____________________ |
| 業務内容 | ____________________ |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 対応時間・連絡先 | ____________________ |
| 報酬 | 金____________________円(消費税等:____________________) |
| 支払条件 | ____________________ |
| 実費負担 | ____________________ |
契約条項
- 業務の委託
甲は乙に対し、前記支援対象に関する技術支援業務を委託し、乙はこれを受託する。 - 業務の内容
乙が行う業務の内容は、前記個別条件に定めるとおりとする。これを超える業務は、甲乙協議の上、別途書面又は電磁的方法により合意する。 - 協力義務
甲は、乙による業務遂行に必要な情報、資料、アクセス権限および作業環境を、合理的な範囲で提供する。 - 報酬および費用
甲は乙に対し、前記報酬を前記支払条件に従って支払う。交通費、部材費その他の実費は、前記個別条件の定めに従う。 - 秘密保持
甲および乙は、本契約に関連して知り得た相手方の技術上、営業上その他の非公知情報を、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。 - 再委託
乙は、業務の全部又は一部を第三者に再委託する場合、事前に甲の承諾を得るものとする。 - 契約期間および解除
本契約の期間は前記のとおりとする。甲又は乙が本契約に重大な違反をし、相当期間を定めた是正の催告後も改善されない場合、相手方は本契約を解除できる。 - 損害賠償
甲又は乙が本契約に違反して相手方に損害を与えた場合、直接かつ通常の損害の範囲で賠償責任を負うものとする。賠償額の上限は、____________________円とする。 - 協議事項
本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議し解決する。
本契約締結の証として、本書二通を作成し、甲乙記名押印又は署名の上、各一通を保有する。
甲(委託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________ 印
乙(受託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
報酬、費用および支払条件
報酬は月額固定、時間単価、案件ごとの見積方式などから選びます。交通費、宿泊費、部材費、外部サービス利用料などの実費を誰が負担するかも、契約書又は個別発注書で定めてください。
支払期日は、請求書の発行時期とあわせて明記します。遅延損害金を設定する場合は、適用条件と利率を明確にし、関連する法令や取引条件との整合性を確認します。
秘密保持と情報管理
技術支援では、システム構成、認証情報、顧客情報、営業情報などに接する可能性があります。そのため、秘密情報の定義、利用目的の限定、第三者提供の禁止、返還又は消去の方法を定めることが重要です。
実際の運用に合わせ、障害受付から作業報告までの流れを契約書又は別紙に記載し、担当者間でも共有しておくことをおすすめします。
締結までの確認手順
契約書の雛形を使用する場合でも、対象業務と個別の取引条件に合わせた修正が必要です。とくに委託する技術の内容、データの取扱い、責任上限については、当事者間で十分に確認してください。
- 支援対象と作業範囲を洗い出します。
- 対応時間、連絡手段および担当者を決めます。
- 報酬、実費、請求方法および支払期日を合意します。
- 契約期間、解除条件、秘密保持および署名方法を確認します。
よくある質問
契約書と個別発注書は併用できますか?
可能です。基本契約で共通条件を定め、案件ごとの対象業務、金額、納期などを個別発注書又は注文書で定める運用ができます。
障害が必ず復旧することを約束する必要がありますか?
通常は、原因、第三者製品、設備状況などに左右されるため、復旧の保証ではなく、合理的な範囲で調査・対応する義務として記載することが検討されます。
秘密保持条項だけで個人情報を扱えますか?
個人情報を取り扱う場合は、秘密保持に加え、利用目的、安全管理、再委託、事故発生時の報告などを具体的に定め、関係法令に沿った運用を行うことが望まれます。