商業用貸室賃貸借契約書のすぐに使える書式モデル
商業用の貸室を賃貸する際に、貸主と借主の権利義務を明確にするための賃貸借契約書モデルです。物件の表示、賃料・共益費、契約期間、敷金・保証金、利用目的、修繕、原状回復、解約、禁止事項など、事業用物件の契約で確認すべき基本事項を記載できます。締結前に建物の利用条件や関係法令、必要な許認可を確認し、当事者間で内容を十分に協議してください。
商業用の部屋、事務所、店舗その他の事業用区画を貸し借りする場合、口頭での合意だけでは賃料や退去時の条件をめぐる争いが生じやすくなります。商業用貸室賃貸借契約書は、物件の範囲、使用目的、支払条件および契約期間を文書で確認するための基本資料です。貸主と借主は、建物の用途制限や営業に必要な許認可も含めて、契約内容を事前に確認することが大切です。特に保証金、修繕負担、原状回復および中途解約の取扱いは、具体的に定めておきましょう。
商業用貸室賃貸借契約書の目的
この契約書は、貸主が商業利用を目的として貸室を提供し、借主が対価として賃料等を支払う関係を明確にするものです。住居用契約とは異なり、事務所、店舗、診療所、教室などの利用形態に応じた特約が必要になることがあります。
契約書には、当事者の氏名または商号、所在地、代表者情報、対象物件および貸室の範囲を正確に記載します。登記情報、賃貸対象図面および設備一覧と整合しているかを確認してください。
契約書に記載する主要事項
賃料だけでなく、共益費、消費税の取扱い、支払日、振込先、遅延損害金、保証金・敷金および償却の有無を明示します。曖昧な表現を避け、金額、割合、期限を具体的に定めることが重要です。
| 記載項目 | 役割 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 賃貸物件の表示 | 貸室の所在、階数、面積、附属設備を特定する | 区画番号や対象面積の記載漏れ |
| 使用目的 | 営業内容と利用範囲を明確にする | 「事業用」とだけ記し具体性がない |
| 賃料・共益費 | 月額、税、支払期日および方法を定める | 消費税や支払期日の取扱いが不明確 |
| 保証金・敷金 | 未払債務や原状回復費用の担保を定める | 返還時期・控除項目を定めない |
| 原状回復 | 退去時の修繕・撤去責任を配分する | 通常損耗と借主負担の区別がない |
物件の範囲を明確にする方法
専有部分だけでなく、共用部分の使用可否、看板設置場所、駐車場、倉庫、空調設備および鍵の本数を確認します。必要に応じて平面図や設備表を契約書の別紙として添付し、契約書本文との関係を明記します。
賃料、費用および保証金の確認
月額賃料と共益費について、税抜・税込の別、支払期日、振込手数料の負担者を定めます。電気・水道・ガス・通信費、清掃費、空調費などの負担区分も、実務上の重要な確認事項です。
- 月額賃料と消費税の取扱い
- 共益費、管理費および水道光熱費の負担
- 保証金・敷金の額と預託方法
- 保証金返還の時期と控除対象
- 賃料改定の条件および協議方法
保証金返還の条件
保証金や敷金を預ける場合は、契約終了後の返還期限、未払賃料等との相殺、原状回復費用の精算方法を記載します。償却や敷引きを定める場合には、その金額または算定方法を明確にし、当事者が十分に理解したうえで合意します。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
商業用貸室賃貸借契約書
本契約は、以下の当事者間において、商業用貸室の賃貸借に関し締結する。
契約締結場所:____________________
契約締結日:________年____月____日
貸主(甲)
住所:____________________
氏名・商号:____________________
代表者:____________________
借主(乙)
住所:____________________
氏名・商号:____________________
代表者:____________________
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 賃貸物件所在地 | ____________________ |
| 建物名・貸室番号 | ____________________ |
| 賃貸面積・附属設備 | ____________________ |
| 使用目的 | ____________________ |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 月額賃料 | 金____________________円(消費税:____________________) |
| 共益費・管理費 | 月額 金____________________円 |
| 保証金・敷金 | 金____________________円 |
| 賃料支払期日・方法 | 毎月____日までに____________________へ支払う。 |
| 解約予告期間 | ____か月前までに書面で通知する。 |
- 甲は乙に対し、上記賃貸物件を上記使用目的のために賃貸し、乙はこれを賃借する。
- 乙は、賃料、共益費その他本契約に基づく金員を、定められた期日までに甲へ支払う。
- 乙は、甲の事前の書面による承諾なく、賃貸物件を転貸し、使用目的を変更し、または増改築、造作その他の変更をしてはならない。
- 乙は、賃貸物件を善良な管理者の注意をもって使用し、故障、毀損その他異常を発見したときは、速やかに甲へ通知する。
- 建物の構造部分および甲の負担とされる設備の修繕は甲が行い、乙の故意または過失、通常の使用を超える損耗に起因する修繕は乙の負担とする。
- 乙が本契約を中途解約するときは、上記解約予告期間を守り、書面により甲へ通知する。
- 契約終了時、乙は賃貸物件を明け渡し、乙の所有物および造作を撤去し、甲乙の合意および本契約に従って原状回復を行う。
- 保証金・敷金は、未払賃料、損害賠償その他乙の債務を控除したうえで、明渡しおよび精算後に返還する。控除内容および返還時期は、____________________とする。
- 本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は誠実に協議して解決する。
本契約の成立を証するため、本書____通を作成し、甲乙各自記名押印または署名のうえ、各1通を保有する。
甲(貸主)住所:____________________
氏名・商号:____________________ 印
乙(借主)住所:____________________
氏名・商号:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
使用目的、禁止事項および修繕
借主は、契約で定めた使用目的に従って貸室を利用し、建物の管理規約や法令を守る必要があります。転貸、目的外使用、無断改造、危険物の持込み、近隣に著しい迷惑を及ぼす行為などは、原則として禁止事項として整理します。
修繕については、建物の躯体や主要設備に関する貸主の負担と、借主の故意・過失や日常使用に起因する損耗に関する借主の負担を区分します。故障を発見した場合の通知先と連絡方法も定めると円滑です。
契約締結前に、貸室の現況を写真と設備一覧で記録し、引渡し時の状態を双方で確認しておくと、退去時の原状回復に関する認識違いを減らせます。
契約期間、更新および解約の手順
契約期間の始期と終期、更新の有無、更新料、解約予告期間および中途解約時の条件を明記します。定期建物賃貸借など、更新を前提としない契約形態を選ぶ場合には、法令上求められる書面交付や説明の要否を確認してください。
- 契約期間と引渡日を確定する。
- 更新、再契約または満了時の取扱いを定める。
- 中途解約の予告期間と通知方法を記載する。
- 退去、明渡し、精算および原状回復の手順を確認する。
よくある質問
口頭の合意だけで商業用貸室を借りられますか?
当事者間で合意が成立する場合はありますが、賃料、期間、用途、解約、保証金などの重要条件を証明しにくくなります。後日の紛争を避けるため、書面で契約内容を残すことが望まれます。
借主は貸主の承諾なしに内装工事をできますか?
通常は、造作、設備の設置、間取り変更その他の工事について、事前に貸主の書面による承諾を求める定めを置きます。建物管理規約や法令上の手続が必要な場合もあります。
退去時の原状回復費用はすべて借主が負担しますか?
負担範囲は契約内容、使用状況および損耗の原因によって異なります。通常損耗、経年変化、借主による造作や毀損の扱いを契約書で具体的に確認してください。