農地賃貸借契約書の記入例付きすぐ使えるモデル書式
この農地賃貸借契約書のモデルは、農地を貸す人と借りる人の間で、対象地、賃料、契約期間、利用目的、管理責任、返還方法などを明確に定めるための書式です。実際の農地利用では農地法上の手続や地域の取扱いが関係するため、当事者の状況に応じて内容を確認し、必要事項を補って使用してください。
農地賃貸借契約書は、農地の所有者が農業を行う者に土地を使用・収益させる際の条件を記録する文書です。対象となる土地を正確に特定し、賃料、契約期間、利用目的および管理上の責任を具体的に定めることが重要です。農地の権利移転や設定には、農地法に基づく許可・届出等が必要となる場合があります。契約締結前に、所在地の農業委員会等へ確認しましょう。
農地賃貸借契約書とは
本契約書は、賃貸人が農地を賃借人に貸し、賃借人が農業目的で使用するための合意内容を示すものです。口頭の約束だけでは、賃料の支払時期、耕作範囲、原状回復や契約終了時の扱いについて後日の認識違いが生じやすくなります。
書面化することで、両当事者の権利義務を確認しやすくなり、地域での農地利用に関する手続にも対応しやすくなります。
一般の土地賃貸借との違い
農地は食料生産の基盤であることから、その権利設定・移転や転用には特別な規制があります。住宅や駐車場用の土地と同じ感覚で契約せず、農地として利用することを前提に、関係法令と行政手続を確認する必要があります。
契約前に確認すべき事項
まず、登記事項証明書、公図、地番、地目、面積および現地の境界を確認します。登記上の所有者と契約を締結する人が一致しているか、共有地ではないか、相続手続が未了ではないかも確認してください。
また、賃借人が予定する作物や農業経営の内容、既存の利用権、土地改良区に関する負担、水利や進入路の利用条件も、あらかじめ整理しておくことが有用です。
- 登記上の地番、地目、面積および所有者
- 現地境界、進入路、水利および排水の状況
- 農地法上の許可・届出または利用権設定の要否
- 賃料額、支払方法および支払期限
- 契約満了時の返還条件と工作物等の取扱い
書式に記載する主要項目
対象農地は、住所表記だけでなく、原則として登記上の所在、地番、地目および面積を記載して特定します。複数の筆がある場合は、別紙の土地目録を付けて漏れなく列挙します。
| 記載項目 | 目的 | よくある不備 |
|---|---|---|
| 対象農地 | 貸す土地の範囲を明確にする | 住所のみで地番・面積がない |
| 利用目的 | 農業利用の内容を共有する | 転用や第三者利用の制限がない |
| 賃料 | 金額・支払期日・支払方法を定める | 消費税や振込手数料の負担が不明 |
| 契約期間 | 開始日・終了日・更新を明確にする | 満了後の取扱いが決められていない |
| 返還条件 | 終了時の原状回復等を定める | 残置物・工作物の扱いが不明 |
賃料と費用負担の定め方
賃料は年額か月額かを明示し、現金、振込、農産物による支払いなど、具体的な方法を定めます。固定資産税、土地改良区賦課金、水利費、除草費、修繕費その他の費用を誰が負担するかも、契約書に記載することが望まれます。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
農地賃貸借契約書
賃貸人 ____________________(以下「甲」という。)と、賃借人 ____________________(以下「乙」という。)は、次のとおり農地賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結する。
契約締結日:________年____月____日
契約締結場所:____________________
当事者
甲(賃貸人)住所:____________________
氏名:____________________ 連絡先:____________________
乙(賃借人)住所:____________________
氏名:____________________ 連絡先:____________________
契約内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象農地の所在 | ____________________ |
| 地番・地目・面積 | 地番:________ 地目:________ 面積:________㎡ |
| 利用目的 | 農業用地としての耕作(作物:____________________) |
| 賃料 | 年額 金____________________円 |
| 支払期日・方法 | 毎年____月____日までに ____________________ の方法で支払う。 |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 農地法上の手続 | 許可・届出等:____________________ |
契約条項
- 甲は乙に対し、別紙土地目録記載の農地(以下「本件農地」という。)を農業目的で賃貸し、乙はこれを賃借する。
- 乙は、本件農地を善良な管理者の注意をもって耕作・管理し、法令および地域の定めを遵守する。
- 乙は、甲の事前の書面による承諾および必要な法令上の手続を経ることなく、本件農地を転貸し、又は農業以外の用途に使用してはならない。
- 賃料は、前記の支払期日および方法により乙が甲へ支払う。振込手数料は ____________________ の負担とする。
- 固定資産税、土地改良区賦課金、水利費、通常の管理費その他の費用の負担は、次のとおりとする。____________________
- 乙は、本件農地の現状を変更する工作物を設置し、又は造成その他の改変を行う場合、あらかじめ甲の書面による承諾および必要な法令上の手続を要する。
- 乙が賃料の支払いを怠り、又は本契約に重大に違反した場合、甲は相当の期間を定めて是正を求めた上で、本契約を解除することができる。
- 本契約が終了したとき、乙は本件農地を甲に返還する。原状回復、作物、残置物および設置物の取扱いは、次のとおりとする。____________________
- 本契約の更新又は再契約については、期間満了の____か月前までに甲乙が協議し、必要な手続を行う。
- 本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は誠実に協議して解決する。
別紙土地目録
| 番号 | 所在 | 地番 | 地目 | 面積 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ____________________ | ____________________ | ____________________ | ____________________㎡ |
| 2 | ____________________ | ____________________ | ____________________ | ____________________㎡ |
本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙各自が署名又は記名押印の上、各1通を保有する。
________年____月____日
甲(賃貸人)住所:____________________
氏名:____________________ 印
乙(賃借人)住所:____________________
氏名:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
農地法上の手続への配慮
農地を耕作目的で賃借する場合、農地法第3条に基づく許可が必要となることがあります。また、農地中間管理機構を通じた貸借や、利用権設定等促進事業など、地域の制度を利用する場面もあります。
必要な手続を経ない契約は、当事者の期待どおりに効力が認められないおそれがあります。契約書には、必要な許可等が得られることを契約の条件とする条項を置くことも検討できます。
契約書に署名する前に、農地の所在地を管轄する農業委員会へ相談し、必要な許可・届出・申請書類と提出時期を確認することをおすすめします。
締結から保管までの流れ
当事者間で条件が固まったら、土地目録や位置図を添付して契約書を作成します。必要に応じて行政上の手続を行い、各当事者が署名または記名押印した原本を保管します。
- 登記情報、現地状況および利用条件を確認する。
- 賃料、期間、用途、費用負担および返還条件を協議する。
- 契約書と土地目録を作成し、必要な行政手続を確認する。
- 署名または記名押印後、各当事者が原本を保管する。
よくある質問
農地を借りるだけでも許可は必要ですか。
耕作目的で農地の賃借権を設定する場合、農地法上の許可等が必要となることがあります。個別のケースにより手続が異なるため、所在地の農業委員会に確認してください。
賃料を農産物で支払うことはできますか。
当事者間の合意により定めることは可能ですが、品目、数量、品質基準、引渡時期、換算方法などを具体的に記載し、後の争いを避けることが大切です。
契約期間中に農地を転用できますか。
農地を農業以外の目的に使用する転用には、別途農地法上の許可または届出が必要となる場合があります。賃貸借契約だけで自由に転用できるわけではありません。