ウェブサイト保守契約書のすぐに使える実用モデル
このウェブサイト保守契約書モデルは、サイト運営者と保守事業者の間で、更新作業、障害対応、セキュリティ対策、費用、連絡方法および契約期間を整理するための書式です。業務範囲や対応時間、追加作業の扱いを具体的に記載し、認識の相違やトラブルを予防することに役立ちます。
ウェブサイトの保守を外部に委託する際は、作業内容、対応時間、料金および責任範囲を文書で明確にすることが重要です。口頭の合意だけでは、更新の対象、緊急障害への対応や追加費用について認識が食い違うおそれがあります。ウェブサイト保守契約書は、委託者と受託者が安定した運用体制を築くための基本文書です。本モデルは、一般的な保守業務の条件を整理するために利用できます。
ウェブサイト保守契約書とは
ウェブサイト保守契約書とは、ウェブサイトの運用・維持管理に関する業務を委託する場合に、当事者間の権利義務を定める契約書です。対象サイト、保守対象のシステム、定期更新、バックアップ、障害対応などを具体的に特定します。
制作契約とは異なり、保守契約では継続的な業務の内容と提供水準が中心となります。毎月の保守料に含まれる業務と、別料金となる改修・機能追加を分けておくことが実務上有用です。
契約書に記載すべき主な項目
契約条件を明確にするため、保守の対象と範囲をできるだけ具体的に記載します。特に、緊急時の受付方法や初動対応の目安は、運用上の安心感に大きく影響します。
| 項目 | 記載する内容 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 保守対象 | ドメイン、サーバー、CMS、対象ページ等 | 対象サイトや環境を特定しない |
| 業務範囲 | 更新、バックアップ、監視、障害対応の内容 | 改修作業まで無制限に含める |
| 料金 | 月額、支払日、追加作業の単価または見積方法 | 消費税や支払条件を記載しない |
| 対応時間 | 受付時間、対応可能な曜日、緊急時の連絡先 | 即時対応を当然の前提にする |
| 契約期間 | 開始日、終了日、更新方法、解約予告期間 | 中途解約の条件を定めない |
保守範囲の具体化
「サイトの更新」のような抽象的な表現ではなく、月間の更新回数、画像差替えの可否、原稿の支給方法、作業時間の上限などを定めることが望ましいです。サーバーや外部サービスの障害が保守の対象となるかも確認しましょう。
追加作業の取扱い
デザイン変更、ページ新設、機能開発、SEO施策や広告運用は、通常の保守業務とは区別されることがあります。追加作業を行う際の見積り、発注承認および請求の手順を定めることで、費用に関する紛争を抑えられます。
保守業務の範囲を決めるポイント
保守業務は、技術的な維持管理とコンテンツ更新に分けて検討すると整理しやすくなります。委託者が提供すべき素材、アカウント情報、承認期限についても契約上または運用ルールとして明らかにしてください。
- CMS、プラグインおよびテーマの更新
- 定期的なデータバックアップと保存期間
- 死活監視、不正アクセス確認および障害一次対応
- テキスト、画像、PDF等の掲載・差替え作業
- 月次報告の内容、提出時期および連絡窓口
保守範囲は「何をするか」だけでなく、「何をしないか」も明記し、緊急対応の基準を双方で共有することが大切です。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
ウェブサイト保守契約書
委託者 ____________________(以下「甲」という。)と、受託者 ____________________(以下「乙」という。)は、ウェブサイト保守業務に関し、以下のとおり契約を締結する。
締結場所:____________________
締結日:________年____月____日
当事者の表示
甲(委託者)
住所:____________________
氏名又は法人名:____________________
代表者名:____________________
乙(受託者)
住所:____________________
氏名又は法人名:____________________
代表者名:____________________
契約条件
| 保守対象ウェブサイト | ____________________ |
|---|---|
| 対象ドメイン | ____________________ |
| 保守対象環境 | サーバー:____________________ CMS等:____________________ |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 保守料金 | 月額 金____________________円(消費税:____________________) |
| 支払期日・方法 | ____________________ |
| 通常対応時間 | ____________________ |
| 連絡窓口 | 甲:____________________ 乙:____________________ |
契約条項
- 甲は乙に対し、前記保守対象ウェブサイトに関する保守業務を委託し、乙はこれを受託する。
- 保守業務の内容は、次のとおりとする。
(1)____________________
(2)____________________
(3)____________________ - 前項に定めのない改修、機能追加、デザイン変更その他の作業は追加業務とし、甲乙協議の上、別途見積りおよび発注により実施する。
- 乙は、甲から提供を受けた情報、認証情報、業務上知り得た秘密情報を、保守業務の目的以外に使用せず、甲の事前承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。
- 乙は、障害又はセキュリティ上の問題を認識した場合、合理的な範囲で必要な初期対応を行い、速やかに甲へ連絡する。ただし、第三者が提供するサーバー、通信回線又は外部サービスに起因する事象について、乙はその復旧を保証しない。
- 甲は、保守業務に必要な資料、素材、承認およびアクセス権限を、乙が合理的に求める時期までに提供する。
- 甲は乙に対し、保守料金を前記の支払条件に従って支払う。追加業務に要する費用は、別途合意した条件に従う。
- 本契約を中途解約する場合、解約を希望する当事者は、相手方に対し____________________日前までに書面又は電磁的方法により通知する。
- 契約終了時、乙は甲の求めに応じ、保有するウェブサイト関連データおよび管理情報を、合理的な方法で甲又は甲の指定する者へ引き渡す。引継ぎに要する費用は____________________とする。
- 本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた場合は、甲乙誠意をもって協議し解決する。
- 本契約に関する紛争については、____________________裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙各自記名押印又は署名の上、各1通を保有する。
甲(委託者)
住所:____________________
氏名又は法人名:____________________
代表者名:____________________ 印
乙(受託者)
住所:____________________
氏名又は法人名:____________________
代表者名:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
料金・支払条件と契約期間
月額固定料金の場合でも、通常料金に含まれる作業量、超過時の単価、交通費その他の実費負担を確認する必要があります。消費税の取扱い、請求日、支払期日および遅延時の対応も記載しましょう。
契約期間は、一定期間の契約とする方法のほか、月ごとの自動更新とする方法もあります。解約の予告期間、契約終了時のデータ返還およびアカウント引継ぎについて定めておくと、移管時の支障を減らせます。
セキュリティと秘密保持
保守事業者は、管理画面、サーバー、顧客情報その他の機密情報にアクセスする場合があります。そのため、目的外利用の禁止、第三者への開示制限、適切な安全管理措置および契約終了後の情報返還・削除を定めることが重要です。
個人情報を扱うサイトでは、委託先の管理体制も確認してください。事故発生時の報告先、連絡期限および初期対応に関する手順をあらかじめ取り決めておくと、迅速な対応につながります。
締結前の確認手順
契約締結前には、対象となる環境と運用実態を確認し、書式の空欄を当事者の合意内容に合わせて補充します。重要な条件は、メールや口頭で済ませず、契約書または別紙の仕様書に反映させましょう。
- 対象サイト、サーバー、CMSおよび管理権限を一覧化します。
- 通常保守と追加作業の範囲、対応時間を協議します。
- 料金、支払条件、契約期間および解約条件を決定します。
- 秘密保持、データ管理、引継ぎ条件を確認して署名します。
よくある質問
保守契約にサイトの更新作業は含めるべきですか。
含めることは可能ですが、更新回数、作業時間、対象となるコンテンツの種類を明確にすることが大切です。大幅な構成変更や新規ページ制作は、追加業務として扱う方法が一般的です。
障害発生時の対応時間はどのように定めますか。
受付時間と初回連絡の目安を定め、原因調査や復旧完了までを保証するのかを区別します。サーバー会社や外部サービスに起因する障害については、受託者が制御できる範囲も明記してください。
契約終了後のデータやアカウントはどうなりますか。
サイトデータ、バックアップ、ドメイン、サーバーおよび各種管理アカウントの帰属と引継ぎ方法を定めます。必要に応じて、引継ぎ作業の費用や実施期限も契約書に記載します。