マーケティングサービス提供契約書のすぐ使える雛形
マーケティングサービス提供契約書は、広告運用、SNS運用、コンテンツ制作、SEO対策、市場調査などを外部委託する際に、委託者と受託者の権利義務を明確にするための書面です。本雛形では、業務内容、報酬、契約期間、成果物、知的財産権、秘密保持、再委託、契約解除および紛争対応に関する基本事項を記載できます。案件の目的や運用媒体、法令上の要件に応じて内容を確認し、必要な修正を行ってください。
マーケティングサービス提供契約書は、事業者が外部の専門家や制作会社にマーケティング業務を依頼する際の基本的な合意を記録する書面です。広告配信、SNSアカウント運用、コンテンツ制作、SEO施策、分析業務などは、業務範囲と責任分担を具体化することが特に重要です。口頭の依頼だけでは、成果物、費用、修正回数、アカウントの管理権限をめぐる認識の相違が生じやすくなります。この雛形を基礎として、実際の案件内容に合わせた条項を整備してください。
契約書を作成する目的
本契約書の目的は、委託者と受託者が合意したサービスの内容、提供条件および対価を明確にし、業務の進行中や終了後のトラブルを予防することです。特にデジタルマーケティングでは、媒体アカウント、顧客データ、クリエイティブ素材および広告費の帰属を事前に定める必要があります。
契約本文だけで詳細を網羅しにくい場合は、業務仕様書、見積書、提案書または媒体別の運用計画書を別紙として添付し、契約書との関係を明記するとよいでしょう。
対象業務の特定
「マーケティング支援一式」のような抽象的な表現は避け、対象媒体、作業内容、報告頻度、納品物、承認手順をできる限り具体的に記載します。広告予算の管理や入札判断の権限についても、誰が最終決定者であるかを定めます。
記載すべき主な項目
契約書には、当事者の名称・住所・代表者、契約の目的、委託業務、報酬、契約期間、秘密保持、知的財産権、解除および合意管轄などを記載します。継続運用型の業務では、月額報酬に含まれる作業量と追加作業の単価を分けることが有効です。
| 項目 | 記載する内容 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 業務範囲 | 媒体、施策、作業内容、報告および納品物 | 「運用支援」とだけ記載する |
| 報酬 | 固定額、成功報酬、広告費、消費税、支払日 | 広告費と代行手数料を混同する |
| 契約期間 | 開始日、終了日、自動更新、解約予告期間 | 途中解約時の精算を定めない |
| 知的財産権 | 成果物・素材・アカウントの帰属と利用範囲 | 制作物の権利移転時期が不明確 |
| 秘密情報 | 対象情報、利用目的、管理方法、返還・削除 | 顧客情報の取扱いを定めない |
報酬と費用の設計
報酬は月額固定、作業時間制、制作物単位、広告費に対する料率、成果連動型などの方法で定められます。どの方式であっても、消費税の扱い、請求日、支払期限、振込手数料の負担者および遅延損害金の有無を明確にします。
広告費と実費の取扱い
媒体への広告出稿費、撮影費、外部ツール利用料、交通費その他の実費は、報酬に含まれるのか別途負担なのかを区別します。受託者が立替払いを行う場合には、上限額、事前承認の方法および精算時期も決めておくべきです。
- 月額報酬に含まれる定例作業の範囲
- 追加の制作・修正・緊急対応の料金
- 広告出稿費の支払方法と管理主体
- 外部サービスの利用料および実費負担
- 請求書の発行日と支払期限
編集できるテンプレート
文書テンプレート
マーケティングサービス提供契約書
株式会社・個人事業主 ____________________(以下「甲」という。)と、株式会社・個人事業主 ____________________(以下「乙」という。)は、マーケティングサービスの提供に関し、以下のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。
締結場所:____________________
締結日:________年____月____日
当事者
甲(委託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________
乙(受託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________
契約条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 委託業務 | ____________________ |
| 対象媒体・対象商品等 | ____________________ |
| 契約期間 | ________年____月____日から________年____月____日まで |
| 報酬額 | 金____________________円(消費税____________________) |
| 支払期日・方法 | ____________________ |
| 広告費・実費の負担 | ____________________ |
| 成果物・報告頻度 | ____________________ |
| 契約終了時のアカウント取扱い | ____________________ |
- 業務委託
甲は乙に対し、前表記載のマーケティングサービス(以下「本業務」という。)を委託し、乙はこれを受託する。 - 業務遂行
乙は、善良な管理者の注意をもって本業務を遂行する。乙は、甲の事前承認なく、本業務の重要な内容を変更しない。 - 報酬および費用
甲は乙に対し、前表記載の報酬を、同表記載の方法および期限により支払う。広告出稿費、外部ツール利用料その他の実費の負担は、前表の定めに従う。 - 成果物および知的財産権
本業務により作成された成果物の著作権その他の知的財産権の帰属、利用範囲および移転時期は、次のとおりとする。____________________ - 秘密保持
甲および乙は、本契約または本業務に関連して知り得た相手方の技術上、営業上その他一切の非公知情報を、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示または漏えいしてはならない。 - 個人情報等の取扱い
乙が本業務において個人情報その他の重要情報を取り扱う場合、乙は関係法令および甲の合理的な指示に従い、適切な安全管理措置を講じる。 - 再委託
乙は、本業務の全部または一部を第三者に再委託する場合、あらかじめ甲の承諾を得るものとする。 - 契約の解除
甲または乙は、相手方が本契約に違反し、相当期間を定めた催告後も是正されないときは、本契約の全部または一部を解除することができる。 - 損害賠償
甲または乙が本契約に違反して相手方に損害を与えた場合、直接かつ通常の損害の範囲でこれを賠償する。賠償額の上限その他の条件は、____________________とする。 - 協議および管轄
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は誠意をもって協議する。協議によって解決しない場合、____________________地方裁判所または簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙が署名または記名押印の上、各1通を保有する。
甲(委託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________ 印
乙(受託者)
住所:____________________
名称:____________________
代表者:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
成果物、権利およびアカウント管理
バナー、動画、記事、レポート、分析データ、企画書などの成果物について、著作権その他の知的財産権を誰に帰属させるかを取り決めます。受託者が既に保有するテンプレート、ノウハウ、汎用素材まで譲渡対象とするかは、別途慎重に整理してください。
SNS、広告媒体、アクセス解析ツール、メール配信サービスなどのアカウントは、原則として委託者名義で作成・管理し、契約終了時の管理者権限の移管手順を定めることが望まれます。第三者素材を使用する場合は、利用許諾の範囲も確認します。
実務上は、業務開始前に「何を、いつまでに、誰が承認するか」を別紙で共有し、変更依頼は記録が残る方法で行うことをおすすめします。
秘密保持と法令遵守
マーケティング業務では、顧客情報、販売実績、広告アカウントの認証情報、未公開の事業計画などを扱うことがあります。秘密情報の定義、目的外利用の禁止、第三者への開示制限、契約終了後の返還・削除および存続期間を契約に記載します。
個人情報を取り扱う場合には、個人情報の保護に関する法律その他の関連法令を踏まえ、委託先の監督、再委託の条件、安全管理措置および事故発生時の連絡方法を検討してください。景品表示法、特定商取引法、著作権法等への配慮も、実施する施策に応じて必要になります。
締結前の確認手順
契約条件は、見積書や提案内容との整合性を確認した上で確定します。契約締結後に追加要件が生じた場合は、メール等の記録だけに依存せず、変更合意書や発注書で内容と費用を整理することが大切です。
- 委託する施策、対象媒体および成果物を洗い出します。
- 報酬、実費、広告費および支払条件を確認します。
- 権利帰属、秘密情報、アカウント権限の条件を決めます。
- 当事者が内容を確認し、署名または記名押印して保管します。
よくある質問
契約期間はどのように決めればよいですか。
施策の検証に必要な期間を考慮し、開始日と終了日を定めます。継続的な運用では、自動更新の有無、更新拒絶の通知期限および中途解約の予告期間も明記します。
広告の成果を保証する条項は必要ですか。
市場環境や媒体仕様など受託者の管理が及ばない要因があるため、通常は特定の売上や成果を無条件に保証する表現を避けます。代わりに、実施内容、報告指標および改善提案の範囲を具体化します。
制作した画像や記事の著作権は誰のものになりますか。
契約で定めた内容に従います。委託者へ譲渡する場合は、対象範囲、譲渡時期、報酬との関係、受託者の既存素材や第三者素材の取扱いを明確にしてください。