賃貸物件の状況調査報告書を作成できる記入例付きモデル
賃貸物件の状況調査報告書は、入居時・退去時などの物件状態を客観的に記録し、修繕負担や原状回復をめぐる認識違いを減らすための書面です。本モデルでは、物件情報、立会者、各室・設備の確認結果、写真記録、特記事項および署名欄をまとめて記入できます。
賃貸物件の状況調査報告書は、建物や室内、設備の現状を確認し、記録として残すための書面です。入居時、退去時、契約更新時または修繕前後に作成すると、当事者間の事実認識をそろえやすくなります。特に傷、汚れ、故障、付属設備の有無は、写真と合わせて具体的に記載することが重要です。貸主、管理会社および借主が内容を確認し、必要に応じて署名することで記録の信頼性が高まります。
状況調査報告書の目的
この報告書は、賃貸物件の引渡し時点における状態を可視化し、後日の修繕や原状回復に関する協議の基礎資料とするものです。契約書そのものを変更する書面ではありませんが、実際の状態を示す補助資料として役立ちます。
作成時には、通常損耗、経年変化、入居者の故意・過失による損傷などを直ちに断定せず、まずは見たままの事実を記録する姿勢が望まれます。
作成が有効な場面
入居開始前の鍵渡し時、退去立会い時、漏水・破損などの事故発生後、大規模修繕の前後などが代表例です。複数回作成する場合は、作成日と前回記録との違いを明確にしてください。
記載すべき基本情報
物件の所在地、建物名、部屋番号、調査日、立会者の氏名と立場を最初に特定します。そのうえで、部屋ごと・設備ごとに状態を記載し、写真番号や補足資料との対応関係を残します。
| 記載項目 | 記載する内容 | 主な目的 | よくある不備 |
|---|---|---|---|
| 物件の特定 | 所在地、建物名、部屋番号 | 対象物件の明確化 | 部屋番号の記載漏れ |
| 調査日時 | 実施日、開始・終了時刻 | 確認時点の特定 | 日付のみで時点が不明 |
| 立会者 | 貸主、借主、管理会社等の氏名 | 確認者の明確化 | 立場や連絡先が不明 |
| 損傷・不具合 | 場所、程度、範囲、状態 | 事実の具体的な記録 | 「汚れあり」だけの抽象表現 |
| 写真記録 | 写真番号、撮影箇所、撮影日 | 記載内容の裏付け | 報告書との照合不能 |
確認時の記録方法
各室を一定の順序で確認し、壁、床、天井、建具、窓、照明、給排水、空調、収納および付属設備を点検します。傷や不具合がある場合は、位置、寸法、色、作動状況などをできるだけ客観的に記入してください。
写真との連携
写真は広い範囲を示すものと、損傷箇所を拡大したものを組み合わせると分かりやすくなります。報告書には写真番号を記載し、撮影データを改変せず保管することが望ましいです。
- 玄関、廊下、各居室を順番に確認する。
- 壁紙、床材、天井の傷・汚れ・剥がれを確認する。
- 水栓、排水、換気扇、給湯設備の作動状況を記録する。
- エアコン、照明、鍵などの付属設備を確認する。
- 気になる箇所は写真番号とともに特記事項へ記載する。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
賃貸物件状況調査報告書
作成場所:____________________
作成日:________年____月____日 調査時刻:____時____分 ~ ____時____分
貸主(所有者):____________________ 住所:____________________
借主(入居者):____________________ 住所:____________________
管理会社・代理人:____________________ 担当者:____________________
対象物件所在地:____________________________________________
建物名・部屋番号:____________________________________________
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 賃貸借契約の開始日 | ________年____月____日 |
| 調査区分 | □ 入居前 □ 入居時 □ 退去時 □ 修繕前 □ 修繕後 □ その他(________________) |
| 立会者 | ____________________________________________ |
| 鍵の本数・種類 | ____________________________________________ |
| 写真・動画記録 | □ 有 □ 無 写真番号:____________________ |
| 特記事項 | ____________________________________________ |
各部の確認状況
| 確認箇所 | 状態・損傷・不具合の内容 | 写真番号 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 玄関・廊下 | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
| 居室(壁・床・天井) | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
| 台所・給排水設備 | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
| 浴室・洗面所・トイレ | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
| 窓・建具・収納 | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
| エアコン・照明・その他設備 | ________________________________ | ________ | ________________________________ |
確認条件および特記事項
- 本報告書は、上記日時における対象物件の外観および確認可能な範囲の状態を記録するものである。
- 記載した損傷、不具合または汚れについて、原因および修繕費用の負担者を本報告書のみで確定するものではない。
- 写真・動画その他の添付資料がある場合は、本報告書の記載内容を補足する資料として取り扱う。
- 当事者は、本報告書の内容を確認し、異議がある場合は下記の特記事項欄に具体的に記載する。
異議・追加特記事項:
________________________________________________________________________
________________________________________________________________________
添付資料:□ 写真 □ 動画 □ 設備一覧 □ その他(____________________)
貸主(所有者)署名:____________________ 印
借主(入居者)署名:____________________ 印
管理会社・代理人署名:____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
作成から確認までの流れ
調査は、事前に契約書、設備表および過去の記録を用意してから実施すると効率的です。記載内容に意見の相違がある場合は、異議の内容を余白や特記事項欄に残し、安易に未確認の事項へ同意しないようにします。
- 契約書、鍵、設備表および前回記録を準備する。
- 立会者とともに各室・設備を確認し、報告書へ記入する。
- 損傷や不具合を撮影し、写真番号を報告書に対応付ける。
- 内容を読み合わせ、特記事項を確認したうえで署名または押印する。
確認できない事項や修繕負担に争いがある事項は、結論を急がず、「要確認」または具体的な異議内容として記録し、写真・契約書とともに保管してください。
原状回復との関係
状況調査報告書は、退去時の原状回復費用を自動的に決定するものではありません。費用負担は、賃貸借契約の内容、損傷の原因、使用期間、通常損耗や経年変化の考え方などを踏まえて個別に判断されます。
国土交通省の原状回復に関するガイドラインは、当事者間の合意形成に役立つ考え方を示しています。もっとも、契約内容や具体的事情によって取扱いが異なるため、記録と契約書を併せて確認することが必要です。
保管と共有の注意点
署名済みの報告書、写真、動画、メールなどは、当事者双方が同じ内容で保管することをおすすめします。電子データで共有する場合は、作成日、ファイル名、送付先を分かりやすくし、後から内容が判別できるようにします。
個人情報を含むため、第三者への共有は必要な範囲にとどめ、管理会社や所有者が保管する際は適切な安全管理にも留意してください。
よくある質問
借主が立会いできない場合でも作成できますか?
作成自体は可能ですが、立会いがなかった事実、確認方法、写真・動画の有無などを明記することが重要です。可能であれば、後日借主に写しを送付し、意見を確認してください。
傷の原因が分からない場合はどう書きますか?
原因を推測して断定せず、「壁面に長さ約10cmの傷を確認」など、見た状態を具体的に記載します。原因や負担の判断は、契約内容と追加確認に基づいて行います。
署名を拒否された場合はどうすればよいですか?
署名を強要せず、拒否された日時、理由として述べられた内容、立会者および確認状況を記録します。写真や第三者の立会記録も保管し、必要に応じて専門家へ相談してください。