事業提携契約書のすぐに使える記入式モデル
この事業提携契約書モデルは、複数の事業者が共同で商品開発、販売、サービス提供、販促活動などを行う際の基本条件を整理するための記入式書式です。提携目的、各当事者の役割、費用負担、収益配分、知的財産、秘密保持、契約期間および解除について、合意内容を明文化できます。
事業提携契約書は、複数の事業者が共通の目的に向けて協力する場合に、権利、義務および役割分担を整理する文書です。販売提携、共同開発、共同プロモーション、業務委託を含む協業など、提携の形態に応じて内容を調整できます。口頭での合意だけでは認識の違いが生じやすいため、業務範囲や費用負担を具体的に記載することが重要です。本モデルは、基本的な合意事項を文書化するための出発点として利用できます。
事業提携契約書を作成する目的
提携では、各当事者が提供する資源、技術、販売網、ノウハウまたは人員が異なることが一般的です。契約書により、共同で行う事業の目的と範囲を明確にし、責任の所在や成果の帰属に関する紛争を予防します。
特に、売上や利益の配分、経費の負担、顧客情報の取扱いは、後日のトラブルにつながりやすい事項です。実際の業務開始前に、判断基準や手続を当事者間で共有しておく必要があります。
記載すべき主な項目
契約書には、当事者の正式な商号または氏名、所在地、代表者、提携の目的および対象業務を記載します。法人の場合は、登記上の情報と整合するよう確認しましょう。
役割分担と業務範囲
誰が何を担当するのかを、できる限り具体的に定めます。例えば、甲が製品開発を担当し、乙が販売、顧客対応および広告宣伝を担当する場合、その業務範囲、報告方法および承認権限まで記載すると実務上有用です。
費用と収益の取扱い
初期費用、運営費、広告費、外注費などの負担者と精算方法を明示します。収益配分については、売上を基準とするのか、必要経費を控除した利益を基準とするのかを区別し、支払時期や計算資料の提出方法も決めます。
確認表:重要条項とよくある不備
| 項目 | 記載する内容 | よくある不備 |
|---|---|---|
| 提携目的 | 共同事業で達成する具体的な目的 | 目的が抽象的で対象事業が不明確 |
| 役割分担 | 各当事者の担当業務と責任範囲 | 作業担当者や承認者が決まっていない |
| 費用負担 | 費目、負担割合、精算時期 | 立替費用の請求方法がない |
| 収益配分 | 配分率、算定基準、支払期限 | 売上と利益の定義が混同されている |
| 知的財産 | 成果物、既存権利および利用条件 | 開発成果の帰属が定められていない |
締結前に確認する事項
提携の相手方について、商号、所在地、代表権および事業内容を確認し、署名または記名押印を行う者に適切な権限があるかを確認します。また、必要に応じて相手方の信用状況、許認可の有無および既存の競業制限も確認してください。
- 提携の対象となる商品、サービスまたは地域
- 各当事者の担当業務、責任者および連絡方法
- 費用の事前承認、立替えおよび精算手続
- 売上、利益および控除可能な費用の定義
- 顧客情報、営業秘密および個人情報の管理方法
編集できるテンプレート
文書テンプレート
事業提携契約書
本事業提携契約書(以下「本契約」という。)は、____________________年____________________月____________________日、____________________において、以下の当事者間で締結する。
甲:所在地 ____________________
商号/氏名 ____________________
代表者 ____________________
乙:所在地 ____________________
商号/氏名 ____________________
代表者 ____________________
甲および乙は、以下の条件により事業提携を行うことに合意する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提携事業の名称 | ____________________ |
| 提携の目的 | ____________________ |
| 対象商品・サービス | ____________________ |
| 提携開始日 | ____________________年____________________月____________________日 |
| 契約期間 | ____________________年____________________月____________________日から____________________年____________________月____________________日まで |
| 費用負担 | 甲:____________________ 乙:____________________ |
| 収益配分 | 甲:____________________% 乙:____________________% |
| 精算・支払期限 | ____________________ |
- 目的
甲および乙は、前記提携の目的を達成するため、相互に協力し、誠実に本契約を履行する。 - 役割分担
甲は、____________________を担当する。乙は、____________________を担当する。各当事者は、相手方の事前の書面による承諾なく、担当業務を第三者に再委託してはならない。 - 費用負担および精算
提携事業に必要な費用は、前記表に定める負担割合に従うものとする。費用の支出および精算方法は、____________________とする。 - 収益配分
提携事業から生じる収益は、____________________を基準として算定し、前記表に定める割合で配分する。各当事者は、毎月____________________日までに必要な計算資料を相手方へ提出し、____________________日までに支払う。 - 秘密保持
甲および乙は、本契約または提携事業に関連して知り得た相手方の技術上、営業上その他一切の非公知情報を、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示または漏えいしてはならない。 - 知的財産権
提携開始前から各当事者が保有する知的財産権は、各当事者に帰属する。提携事業により新たに生じた成果物および知的財産権の帰属ならびに利用条件は、____________________とする。 - 契約期間および更新
本契約の有効期間は前記表のとおりとする。期間満了日の____________________日前までに、いずれの当事者からも書面による更新拒絶の通知がない場合、本契約は同一条件で____________________期間更新されるものとし、以後も同様とする。 - 解除
一方の当事者が本契約に違反し、相手方から相当期間を定めた是正催告を受けたにもかかわらず是正しないとき、相手方は本契約の全部または一部を解除できる。支払停止、破産手続開始の申立てその他信用状態の著しい悪化があった場合も同様とする。 - 協議および管轄
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合、甲乙は誠実に協議して解決する。協議しても解決しない紛争については、____________________地方裁判所または____________________簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲乙各自が署名または記名押印のうえ、各1通を保有する。
____________________年____________________月____________________日
甲:所在地 ____________________
商号/氏名 ____________________
代表者 ____________________ 印
乙:所在地 ____________________
商号/氏名 ____________________
代表者 ____________________ 印
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
契約締結から運用までの流れ
契約書は締結して終わりではなく、実際の運用に合わせて報告、協議および見直しを行うことが大切です。定期的な協議の場を設け、売上実績や費用の明細を共有すると、提携関係を安定させやすくなります。
- 提携目的、対象業務および各当事者の要望を整理する。
- 役割分担、費用負担、収益配分および成果物の取扱いを協議する。
- 合意内容を契約書に反映し、権限を有する者が内容を確認する。
- 締結後、定期報告と協議を行い、必要に応じて書面で変更する。
収益配分の条項では、計算の基礎となる売上、控除費用、消費税その他の公租公課の扱いを具体的に定義しておくことをおすすめします。
変更・解除・紛争への備え
事業環境や当事者の事情が変化した場合に備え、契約の変更方法、契約期間、更新、途中解約および解除事由を定めます。契約内容の変更は、口頭ではなく、原則として当事者双方が署名または記名押印した書面で行う形が望ましいです。
重大な契約違反、支払停止、信用不安、秘密保持義務違反などが発生した場合の対応も規定します。紛争が生じた際の協議方法や管轄裁判所を定めることで、解決手続の見通しを立てやすくなります。
よくある質問
事業提携契約書と業務委託契約書の違いは何ですか。
業務委託契約は、一般に一方が他方へ特定の業務を委託する関係を定めます。事業提携契約書は、当事者がそれぞれの資源や能力を持ち寄り、共同の目的に向けて協力する関係を定める際に用いられます。
収益配分は必ず定める必要がありますか。
無償の協力や各自が自己の収益を得る形態であれば、必ずしも収益配分を設ける必要はありません。ただし、共同で得た売上や利益を分配する場合は、算定方法と支払条件を明確に定めるべきです。
契約期間を定めないことはできますか。
可能ですが、終了時の手続や将来の見通しが不明確になり得ます。一定期間を設定したうえで更新の条件を定めるか、期間の定めがない場合は解約予告期間を明記することが実務上有効です。