事実婚契約書を作成するための記入例付き完成モデル
事実婚契約書は、婚姻届を提出しない共同生活の当事者が、生活費の分担、共有財産、住居、子どもに関する事項、関係解消時の対応などを明確にするための文書です。この記入式モデルでは、双方の合意事項を具体的に記載し、後日の認識違いを防ぐための基本的な条項を整理できます。
事実婚契約書は、婚姻届を提出せずに共同生活を営む当事者が、生活上および財産上の合意を文書として残すための契約書です。法律婚と事実婚では適用される制度や手続が異なるため、当事者間で合意した内容を具体的に記録することが重要です。生活費、住居、財産、債務、子ども、関係解消時の取扱いをあらかじめ整理すると、将来の紛争予防に役立ちます。署名前には、記載内容が実際の生活状況と各当事者の意思に一致しているか確認しましょう。
事実婚契約書を作成する目的
事実婚契約書の主な目的は、共同生活に関する役割と費用負担を可視化し、双方の認識をそろえることです。口頭での約束は後から内容を証明しにくいため、重要な事項を日付入りの書面にまとめる意義があります。
ただし、契約書を作成しただけで法律上の婚姻と同じ効果が一律に生じるわけではありません。相続、税、社会保険、親子関係などは、個別の法律や制度の要件を確認する必要があります。
記載しておきたい基本事項
当事者と共同生活の開始
氏名、生年月日、住所、連絡先などの本人特定情報を記載し、共同生活を開始した日または開始予定日を明記します。住居の所在地と、賃貸借契約や所有権の名義も確認しておくと実務上有用です。
生活費と家事の分担
家賃、食費、光熱費、通信費、保険料などについて、負担割合または負担額、支払方法、精算時期を定めます。家事や介護など金銭以外の負担も、必要に応じて合意事項として記録できます。
| 記載項目 | 役割 | 記載例 | よくある誤り |
|---|---|---|---|
| 当事者情報 | 契約当事者を特定する | 氏名、生年月日、住所 | 通称のみを記載する |
| 共同生活開始日 | 関係開始の基準を示す | 令和○年○月○日 | 開始時期を曖昧にする |
| 生活費負担 | 支出の分担を定める | 各自50%ずつ負担 | 対象費目を列挙しない |
| 財産の帰属 | 所有者と共有割合を明確化する | 購入代金負担に応じて共有 | 名義だけで判断する |
| 解消時の取決め | 退去や精算の手順を定める | 30日前までに書面通知 | 期限や精算方法がない |
財産と債務の取扱い
共同生活前から各自が保有する預貯金、不動産、車両、投資商品などは、原則として個人の固有財産として整理できます。一方、共同生活中に取得する高額な物品や不動産については、購入資金の負担割合、名義、売却時の精算方法を明確にしておくことが大切です。
借入金、クレジットカード利用額、保証債務などについても、誰が負担する債務かを区分してください。一方の個人的な債務を他方が当然に負担するとの誤解が生じないよう、責任範囲を具体的に定めます。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
事実婚契約書
本契約書は、以下の当事者が事実婚に基づく共同生活に関する事項を定めるため、相互の自由な意思により締結する。
作成場所:____________________
作成日:________年____月____日
甲(氏名):____________________
生年月日:________年____月____日
住所:____________________
乙(氏名):____________________
生年月日:________年____月____日
住所:____________________
甲および乙は、________年____月____日より、下記住所を主たる住居として共同生活を営むことを確認する。
共同生活上の住居:____________________
| 項目 | 内容 | 負担者・負担割合 | 支払日・精算方法 |
|---|---|---|---|
| 家賃または住宅ローン | 月額 金________________円 | 甲____%・乙____% | 毎月____日まで |
| 光熱費・通信費 | 対象:____________________ | 甲____%・乙____% | ____________________ |
| 食費・日用品費 | 月額上限 金________________円 | 甲____%・乙____% | ____________________ |
| 共同購入財産 | 品目:____________________ | 甲____%・乙____% | 解消時:____________________ |
| その他の費用 | 内容:____________________ | 甲____%・乙____% | ____________________ |
- 甲および乙は、互いを人生の伴侶として尊重し、共同生活に必要な事項を誠実に協議する。
- 共同生活に要する費用は、前表に定める負担割合または負担方法により負担する。
- 共同生活開始前から各自が保有する財産および各自の名義で負担する債務は、特段の書面による合意がない限り、それぞれの固有財産または個人債務とする。
- 共同生活中に共同で取得した財産は、購入代金その他の負担割合に応じて帰属を定める。負担割合が明らかでない場合は、甲乙協議の上で決定する。
- 子どもの養育、教育、医療その他の費用については、子どもの利益を最優先として、甲乙が別途協議して定める。
- 甲または乙が共同生活の解消を希望するときは、原則として相手方に____日前までに書面または電磁的方法で通知する。
- 共同生活の解消時には、住居の明渡し、未払費用、共同財産および共同債務の精算について、甲乙が誠実に協議する。
- 本契約の変更または追加は、甲乙が書面で合意した場合に限り有効とする。
特約事項:________________________________________________________________
________________________________________________________________
本契約書を2通作成し、甲乙が署名の上、各1通を保有する。
甲 署名:____________________________
甲 署名日:________年____月____日
乙 署名:____________________________
乙 署名日:________年____月____日
証人(任意)氏名:____________________________
証人(任意)署名:____________________________
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
子どもと日常生活に関する合意
子どもがいる、または将来子どもを持つ可能性を想定する場合には、養育費、教育費、医療費、監護、緊急時の連絡方法などについて話し合うことができます。ただし、子どもの利益に関わる事項は、当事者間の契約だけで確定しないことがあります。
- 住居の使用者および家賃・住宅ローンの負担
- 食費、光熱費、通信費などの日常生活費の分担
- 共同で購入した家具、家電、自動車等の所有関係
- 預貯金口座、保険、医療・介護に関する情報共有の範囲
- 子どもの養育、教育、医療費に関する費用分担
関係解消時の条項
関係を解消する場合の通知方法、住居の明渡し時期、生活費の最終精算、共有物の分配手順を定めると、感情的な対立が生じた場合にも手続を進めやすくなります。事情の変化に対応できるよう、合意により契約内容を変更できる条項も設けるとよいでしょう。
署名する前に、財産一覧、支払記録、購入時の領収書などを双方で確認し、契約書の原本を各自1通ずつ保管することをおすすめします。
- 共同生活に関する現状と希望する取決めを双方で洗い出します。
- 生活費、財産、債務、住居、子どもに関する条件を具体化します。
- 合意内容を契約書に記載し、金額、割合、期限、対象物を確認します。
- 双方が署名し、必要に応じて専門家への相談や公正証書化を検討します。
作成時の注意点
公序良俗に反する内容や、一方当事者に著しく不利な内容は、効力が認められない可能性があります。また、戸籍、相続、税金、年金、社会保険、不動産登記などに関する効果は、契約書の記載だけで生じるものではありません。
不動産、高額な財産、事業、前婚の子ども、外国籍当事者などが関係する場合は、弁護士、司法書士、税理士その他の専門家に個別の確認を依頼することが望まれます。
よくある質問
事実婚契約書は必ず公正証書にする必要がありますか。
必ずしも公正証書にする必要はありませんが、重要な金銭給付や財産に関する合意では、証拠力や執行力の観点から公正証書化を検討する価値があります。内容により必要な手続は異なります。
署名だけで契約書は有効になりますか。
一般に、当事者間で内容に合意して署名すれば契約として成立し得ます。ただし、本人確認、作成日、具体的な条項、各自の保管用原本を整えることが、後日の立証に役立ちます。
別れたときに財産を半分に分けると書けば必ず実現しますか。
契約の文言、財産の取得経緯、負担割合、名義、関連法令などを総合的に検討する必要があります。曖昧な表現を避け、対象財産と精算方法を具体的に記載してください。