交際契約書を作成するための記入例付きモデル文書
この交際契約書モデルは、交際する二人が費用負担、個人情報や写真の取扱い、贈与品、連絡方法、別れた後の対応などについて、互いの考えを確認するための文書です。法的な効力には内容や作成状況、適用される法令が影響するため、強制的な約束ではなく、対等な話合いと相互尊重を前提とした合意記録として利用します。
交際契約書は、恋人同士が心地よく交際を続けるために、日常のルールや大切にしたい価値観を文章で確認するための文書です。費用の分担、個人情報の取扱い、写真の公開、連絡の頻度など、誤解になりやすい事項を落ち着いて話し合う契機になります。もっとも、交際は互いの自由意思と尊重を基礎とする関係であり、一方を支配したり、私生活を過度に制限したりする内容は適切ではありません。作成前に内容を十分に確認し、双方が納得できる範囲で記入しましょう。
交際契約書とは
交際契約書は、交際中の二人が任意に取り決めた事項を記録する合意書の一種です。一般的な商取引の契約とは異なり、感情や私生活に関わるため、法的拘束力を目的とするよりも、認識の共有とトラブル予防を目的として用いるのが適切です。
相手の行動を監視する条項、交友関係を一方的に制限する条項、違約金などの不当な負担を課す条項は、問題となる可能性があります。対等性、自主性、プライバシーの尊重を最優先にしてください。
記載を検討したい主な項目
文書には、二人が特に確認したい事項だけを簡潔に記載します。全てを細かく定める必要はなく、状況の変化に応じて見直せる内容にすることが大切です。
| 項目 | 記載する内容 | 目的 | よくある注意点 |
|---|---|---|---|
| 費用分担 | 食事、旅行、共同購入の負担方法 | 金銭面の誤解を減らす | 収入差や事情を無視して固定しない |
| 写真・動画 | 撮影、保存、SNS掲載の可否 | 肖像・私生活を守る | 掲載前の個別確認を省略しない |
| 個人情報 | 住所、勤務先、連絡先の取扱い | プライバシーを保護する | 第三者への共有を当然視しない |
| 贈与品 | 贈り物の扱いと返還の考え方 | 別れた後の紛争を抑える | 高額品は購入経緯も確認する |
| 見直し | 話合いを行う時期や方法 | 事情の変化に対応する | 一方だけで変更しない |
費用に関する合意
デート費用や旅行費用については、「その都度話し合う」「収入や利用状況を考慮する」など、柔軟な表現が向いています。金銭の貸し借りがある場合は、交際契約書とは別に、金額、返済期日、返済方法を明記した借用書を作成することを検討してください。
プライバシーとデジタル情報
スマートフォン、SNS、位置情報、パスワードは個人の私生活に関わる情報です。相手の端末やアカウントを無断で閲覧しないこと、写真やメッセージを本人の同意なく第三者に送らないことを確認するとよいでしょう。
編集できるテンプレート
文書テンプレート
交際契約書
本交際契約書(以下「本書」という。)は、以下の当事者が、相互の尊重および自由な意思に基づく交際に関する確認事項を記録するために作成する。
作成場所:____________________
作成日:________年____月____日
甲(氏名):____________________
甲(住所):____________________
甲(連絡先):____________________
乙(氏名):____________________
乙(住所):____________________
乙(連絡先):____________________
| 項目 | 合意内容 |
|---|---|
| 交際開始日 | ________年____月____日 |
| 費用分担の考え方 | ____________________ |
| 金銭の貸借の有無・金額 | ____________________円 |
| 返済期限・方法 | ____________________ |
| 写真・動画の取扱い | ____________________ |
| SNS等への掲載 | ____________________ |
| 個人情報の取扱い | ____________________ |
| 見直しの時期・方法 | ____________________ |
- 甲および乙は、互いの人格、意思、プライバシーおよび交友関係を尊重し、強要、威圧、暴力または嫌がらせを行わない。
- 甲および乙は、相手方の写真、動画、メッセージ、連絡先その他の個人情報を、本人の事前の同意なく第三者に提供し、または公開しない。
- 交際に伴う費用および金銭の貸借については、上記表の内容およびその都度の双方の協議により定める。
- 本書の変更または追加は、甲および乙が話し合い、双方の同意を確認した上で行う。
- 甲および乙は、交際の継続または終了が各自の自由な意思によるものであることを確認する。
- 交際終了後の写真、動画、私物および連絡先情報の取扱いについては、相手方のプライバシーに配慮し、誠実に協議する。
特約事項:________________________________________________________________
________________________________________________________________________
本書を2通作成し、甲および乙が各1通を保管する。
甲 署名:____________________
乙 署名:____________________
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
作成時に守りたい原則
文書は、どちらか一方が提示して押し付けるものではありません。互いに内容を提案し、不要な条項は削除し、理解できない表現は平易な言葉に改めることが重要です。
- 双方が自由な意思で作成・署名すること
- 人格、身体、行動の自由を不当に制限しないこと
- 暴力、脅迫、嫌がらせを正当化する記載をしないこと
- 写真、連絡先、位置情報などの個人情報を慎重に扱うこと
- 内容を変更する場合は、必ず双方で話し合うこと
実用的な方法として、作成後すぐに署名せず、一度持ち帰って内容を読み直す時間を設けると、無理のない合意になりやすくなります。
作成から保管までの手順
書式を使う場合でも、二人の実情に合わない項目は空欄のままにせず、削除または修正しましょう。署名した文書は、各自が同じ内容の写しを保管すると確認が容易です。
- 話し合いたいテーマをそれぞれ書き出します。
- 費用、プライバシー、連絡などの項目ごとに意見を確認します。
- 合意した内容のみを、具体的で穏やかな表現で記入します。
- 双方で読み合わせを行い、納得した上で日付と署名を記入します。
避けるべき記載と見直しの考え方
交際の継続や別れは、常に本人の自由な意思に基づくべきです。そのため、「別れを禁止する」「連絡を強制する」「交友関係を全面的に禁止する」といった内容や、過大な違約金を定める内容は避けてください。
転職、転居、同居、金銭状況の変化などにより、二人にとって適切なルールは変わります。一定期間ごと、または事情が変化したときに、文書の内容を見直す機会を設けるとよいでしょう。
よくある質問
交際契約書には法的効力がありますか。
法的な評価は、記載内容、作成経緯、当事者の意思、適用法令などにより異なります。私生活や人格に関する過度な制約は、そのまま有効と認められるとは限りません。
別れた後、プレゼントは返してもらえますか。
贈与が完了した物の返還は、原則として個別の事情により判断されます。高額品や預かり物については、購入者、所有者、贈与の趣旨などを確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
SNSの写真削除を約束にできますか。
本人が写る写真や私的な情報について、公開前の同意や交際終了後の削除について話し合うことは有用です。ただし、既に第三者へ拡散された情報には対応が難しい場合もあるため、公開時から慎重に取り扱いましょう。