支払条件を明確に記載できる約束手形の記入用ひな形
この約束手形のひな形は、一定の金額を指定した期日に支払う約束を書面で整理するためのモデルです。受取人、振出人、支払金額、満期、支払地などの基本事項を記入できます。手形法上の要件や実際の取引条件は状況により異なるため、使用前に内容を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。
約束手形は、振出人が受取人またはその指定する者に対し、一定の金額を将来の決められた日に支払うことを約束する有価証券です。取引上の支払条件を明確にし、債権の内容を文書として整理する場面で用いられます。もっとも、約束手形には法定の記載事項があり、記載漏れや不正確な表現は効力や取扱いに影響するおそれがあります。使用前には、当事者間で支払条件を十分に確認することが重要です。
約束手形とは何か
約束手形は、振出人自身が支払義務を負う手形です。第三者に支払を委託する為替手形とは異なり、振出人が受取人に対して直接、一定額の支払を約束します。
企業間取引では信用取引の決済手段として利用されることがありますが、資金繰り、取引慣行、金融機関での取扱いも踏まえて検討する必要があります。
一般の借用書との違い
借用書は貸借関係や返済条件を示す契約文書であるのに対し、約束手形は手形法の規律を受ける有価証券です。手形としての形式を備えるかどうかで、流通性や権利行使の取扱いが異なります。
記載すべき主な事項
約束手形には、約束手形であることを示す文言、無条件の支払約束、金額、満期、支払地、受取人、振出日および振出地、振出人の署名など、重要な事項を整合的に記載します。空欄のまま交付すると、後日の争いにつながることがあります。
| 項目 | 記載する内容 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 手形金額 | 支払う金額を明確に記載する | 数字と文字の金額が一致しない |
| 満期 | 支払期日または満期の定め | 年月日が特定できない |
| 受取人 | 支払を受ける者の氏名・名称 | 法人名の表記が不正確 |
| 支払地 | 支払を行う場所 | 所在地の記載が曖昧 |
| 振出人 | 支払を約束する者の氏名・名称と署名 | 代表者権限や署名を確認しない |
作成前に確認するポイント
金額、満期、利息の有無、支払方法、手形の交付先を、契約書や請求書などの基礎資料と照合してください。法人が振り出す場合は、商号、所在地、代表者の表示および社内権限を確認することが望まれます。
金額と満期の整合性
手形金額には、元となる取引の代金や債務額と矛盾がない金額を記載します。満期は具体的な日付で定めることで、支払時期に関する認識のずれを抑えられます。
- 原契約、注文書、請求書と金額を照合する
- 受取人の氏名または法人名を正式名称で記載する
- 満期日を暦日で明確にする
- 支払地と振出地を確認する
- 振出人の署名権限および押印の要否を確認する
編集できるテンプレート
文書テンプレート
約束手形
振出地:____________________
振出日:________年____月____日
受取人:____________________ 殿
振出人住所:____________________
振出人氏名・商号:____________________
私は、下記のとおり、貴殿(貴社)またはその指図人に対し、手形金額を無条件に支払うことを約束します。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 手形金額 | 金 ____________________ 円 |
| 満期 | ________年____月____日 |
| 支払地 | ____________________ |
| 支払場所 | ____________________ |
| 支払の原因・取引内容 | ____________________ |
| 利息に関する定め | ____________________ |
- 振出人は、満期日に、受取人または適法な所持人に対して手形金額を支払います。
- 本手形に記載の金額、満期、支払地その他の条件は、当事者間の原取引に基づく合意に従うものとします。
- 記載事項に変更または訂正が必要となった場合は、関係当事者がその内容を確認した上で適切に処理します。
- 本手形に定めのない事項は、関係法令および当事者間の合意に従います。
以上
振出人署名:____________________________
振出人住所:____________________________
受取人確認欄:__________________________
この場で文面を編集できます。変更はブラウザーに保存され、印刷や Word・PDF への書き出しができます。
記入から交付までの手順
約束手形は、必要事項を記入するだけでなく、内容確認、署名、交付の過程を記録しておくことが実務上有用です。特に高額の取引では、控えや受領記録を保管しましょう。
- 原取引の債務額と支払条件を確認します。
- 手形金額、受取人、満期、支払地などを記入します。
- 振出人が記載内容を確認し、適切に署名または記名押印します。
- 受取人へ交付し、控えおよび交付の事実を保管します。
金額、満期日、受取人名は特に重要です。交付前に当事者双方で読み合わせを行い、訂正箇所があれば処理方法を含めて確認してください。
保管と支払時の注意点
受取人は、原本を紛失、盗難、毀損から守れる場所に保管し、満期前に支払準備や取立ての方法を確認します。振出人は、満期日に支払える資金を確保し、取引先との連絡先に変更があれば速やかに共有します。
裏書や譲渡、取立委任などを予定する場合には、記載内容と手形の状態を慎重に確認してください。個別の事情によって必要な対応が異なるため、判断に迷う場合は専門家へ相談することが適切です。
よくある質問
約束手形に利息を記載できますか。
利息に関する定めを設ける場合は、対象となる期間、利率、計算方法および支払時期を明確にし、関連する法令や原契約との整合性を確認してください。
満期日の記載がない場合はどうなりますか。
満期の記載がない手形の取扱いには手形法上の規定がありますが、意図しない解釈を避けるため、通常は具体的な支払期日を明記することが望まれます。
個人間でも約束手形は使えますか。
個人間でも作成される場合がありますが、手形の法的性質や不渡り時の影響を十分に理解する必要があります。借用書その他の方法が適するケースもあるため、取引の目的に応じて選択してください。